遮熱塗料①

遮熱塗料①

2016年06月14日(火)6:28 PM

3~5年前に遮熱塗料が氾濫していました。塗料会社系とベンチャー会社系から多く販売されていました。
塗料会社系は、顔料系で熱線反射を利用しているものが多いです。ベンチャー系は断熱性を利用したもの、熱線反射を利用したもの(金属の蒸着、稀有金属を利用したもの)等いろいろのものが多く販売されています。
ただ、実際には遮熱効果が見えにくい。いろいろな方法で数値化がされていますが、私としましては遮熱効果もさることながら、遮熱塗料の立ち位置がなかなかわかりませんでした。(塗膜形状のもであれば、比較的比べやすいのですが)
たとえば、ケイカル板、断熱用ウール、発泡ウレタン・発泡スチロール等の性能比較が難しいように思います。断熱用ウール、発泡ウレタン、発泡スチロールは、間隙に含まれる空気の量によって決まってくると思います。つまり施工時の厚さによって断熱効果は大きく変わってきます。
極端な話ですが、センチ単位で行う断熱ウール、発泡ウレタン、発泡スチロールと、ミリ以下で施工する塗膜では効果の差があると思います。
さらに、塗膜を1ミリ程度塗装するならば、増粘・加熱残分アップの改良を行っても3回から5回程度の塗り重ねが必要になってきます。その塗装工賃はかなりのものになりコスト的には比較にならないくらいの費用になります。
当社もユーザー様よりのご依頼でフッ素樹脂(当社はシリコーン樹脂を得意としていますが、ユーザー様のご指名で)をベースに開発をしていましたが、塗膜表面温度、塗膜裏側の温度低下は認められました。しかし、実際の部屋のシュミレーションを行うとブランクと比較すると2.5℃温度低下がみられました。
この程度であれば、あまり効果があると思えません。(当然、色の濃淡は大きいです)
簡易の実験装置を作成して実験をしていましたが、表面の温度(裏面も)の低下はかなりありましたが、空間中央の温度の変化は少なかったです。ブランクでも屋根と部屋の真ん中では、かなりの空気層が存在しますので断熱効果はかなりあります。よって体感的には、あまり変化あるように思えませんでした。
実際の建物のシュミレーションをするソフト等の開発も必要のように思います。(かなり大がかりな実験が必要です)
実際の場合は、実験と違いいろいろな要素が入ってくるため単純にこの塗料系を塗装すると、この程度温度が下がりますよていうのは難しいように思います。
次回は、開発にあたって他社品を数点ですが集めましたのでその長所・短所等を述べてみたいと思います。(これは、私見ですのでよろしく)




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