車のコーティング剤

車のコーティング剤

2016年06月28日(火)6:05 PM

車のコーティング剤かなり普及していますが、各社のカタログを見ていますと内容が分かりにくい物が多いと思います。
大きく分けて撥水性と親水性になると思います。
それぞれの特徴ですが、撥水性タイプは水玉がはじいて汚れにくく、比較的塗膜硬度が高いです。(ガラス系と言われているものは、鉛筆硬度9H程度と言われています)
主成分は、シリコーン樹脂系とフッ素樹脂系に分かれると思います。
価格的なものはフッ素樹脂系のほうが高いです。防汚性・撥水性はフッ素樹脂系が優れています。
撥水性は、接触角で測定されます。90°超えると撥水性が優れています。110°を超えれば超撥水性になります。一般的にはシリコーン樹脂系が広く用いられています。
このタイプにも2通りものがあり、完全な塗膜(コーティング作業だけ行ったもの)とある程度の塗膜をかけて表面を軽くバフ掛けで仕上げている場合があります。(表面の平滑性と光沢・ぶつの除去)どちらのタイプも薄い塗膜(1~3μ程度と思います)ですので、原理的にはバフ掛けによって塗膜は薄くなり耐久性に問題が出るように思います。理想的には、バフ掛けなしの方が耐久性は優れています。
親水タイプは、汚れが雨で流れ落ちるというのが原理になります。おそらくウレタン樹脂・アクリル樹脂をベースに開発されていると思います。
このタイプの場合は接触角が20°前後と思われます。超親水性は20°以下になりますと光触媒系でないと難しいように思います。
親水性が永続きが必要でなければ、界面活性剤を添加し表面状態を親水化は可能です。ただ、界面活性剤がなくなる(ウレタン樹脂、アクリル樹脂との架橋結合が行われていない場合)と親水性は失われます。
界面活性剤が解け出した後にピンホールが残り、そこから塗膜の剥離・汚染というデメリットが発生します。表面に架橋結合した親水基(水酸基、カルボキシル基等)を並べてやれば、接触角20°以下の親水性になると思います。
ただ、理論的に可能であっても実際にそう言うメカニズムにするのは難しいと思います。現状この親水性のタイプは、あまり普及していません。
コーティング業者に聞いてみますと、お客様はコーティング剤(ワックスも含む)のイメージが撥水という固定観念あるらしいです。性能的には、一長一短がありどちらとも判断できない状態です。おそらくですが、今後フッ素樹脂系が撥水タイプの主流になるように思います。(ただ価格的には大変高価な樹脂になりますので、携帯電話、スマートホン等のタッチパネル等の需要が大きくなれば、量産効果も効いてきますので価格も徐々に下がってきます)



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